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 金沢八景・瀬戸神社 「天王祭・無垢塩祓ひ」 

  2012年7月8日 14:30〜    

  昨年2011年、横浜市・金沢八景にある瀬戸神社において、88年ぶりに伝統行事である「アマモ神事(無垢塩祓ひ)」が復活いたしました!

  瀬戸神社は、源頼朝公が三島大社の分霊を祀って建立したという由緒ある神社です。今では金沢八景駅前のにぎやかな場所にありますが、今でも本殿と国道をはさんで向かいにある琵琶島(弁天島)の入り口には、源頼朝が衣をかけたという福(服)石が残されています。

  さて、この琵琶島は平潟湾に突き出た島となっていますが、かつてこの平潟湾は波も穏やかな自然豊かな内湾で、アマモが多く繁茂していたと言われております。そこで、かつては瀬戸神社の祭礼の際には海水とアマモで穢れを祓う「無垢塩祓ひ」の儀が行われていたとの語り伝えがありましたが、平潟湾の水質悪化にともなってアマモは姿を消し、神事もいつの間にか途絶えてしまったといわれております。

  瀬戸神社と金沢八景-アマモ場再生会議では、近傍の野島海岸でのアマモ場再生を機に、平潟湾の水環境の改善とアマモ場再生を願って、昨年より瀬戸神社のアマモ神事を復活させる取り組みを共同で行うこととし、昨年の7月、瀬戸神社の大祭である「天王祭」においてアマモ神事は見事に復活致しました。

  瀬戸神社「天王祭」では、祭神須佐之男命を天王として神輿に遷座し、町内を巡幸するもので、この遷座(御霊遷し)の前に、無垢塩祓ひ(アマモ神事)が行われます。無垢塩祓ひでは3名の所役が本殿前から琵琶島に渡り、海中に入ってアマモを刈り取り、祓へ串にアマモを取り付けて御霊遷しが行われます。御霊の遷った後、アマモは神輿の4隅に取り付けられ、町内を巡ります。

  瀬戸神社の詳しい縁起については瀬戸神社ホームページをご覧ください。

  今後も、金沢八景-アマモ場再生会議は、地元の横浜市立大学などとの協働により、平潟湾のアマモ場再生や、復活したアマモ神事の保存に取り組んでいきます。

瀬戸神社へのアクセス:

京急線「金沢八景駅」より、まっすぐ進み、国道16号線を左手に進みます。すぐ緑に囲まれた境内が見えます。

 
 

 

   
 京急富岡・富岡八幡宮 「アマモ神事」 

  2012年7月22日 10:00〜

  瀬戸神社より2駅上りの「京急富岡」駅近くに、富岡八幡宮があります。こちらの神社も800年前に源頼朝公により、摂津の西宮の恵比寿様をお祭りしたのが開祖となり、長い歴史を誇っております。

  富岡八幡宮 では、鎌倉時代より800年以上も継承されている伝統行事があります。夏の例大祭時に行われる「祇園舟」はその一つで、横浜市の無形文化財登録第一号として指定されています。

 祇園舟は、夏に全国各地の神社で行われる「茅の輪くぐり」と同じく、夏越の祓の神事であり、青茅で作られた「茅船」に1年間の罪穢れを託して沖合に流し、祓え清めて夏を迎えるという神事です。茅船は現在も五挺櫓の和船2艘によって東京湾の沖合に運ばれます。五挺櫓の和船は保存会によって漕ぎ方も伝承されています。かつては、八丁櫓の和船が使われていたとのことです。

 さて、この「祇園舟」の神事でもアマモによるお祓いの儀式が行われています。これまではやはりアマモ場の消失により、祭事の際はあらかじめ手桶に入れられたアマモを使っていましたが、このたび、富岡八幡宮の船溜よりアマモを取り上げ、本殿まで運んでアマモによるお清めを行うことになりました。

 「祇園舟」のハイライトは、沖合で「茅船」を流した2艘の和船が鼻先を並べて競争し、船溜に戻ってきます。流した罪穢れからいち早く逃げ帰ってきた事から始まったと考えられています。

 今年の「祇園舟」・アマモ神事は7/22(日)、下記の予定で行われます。

  〜10:00     富岡船溜より、祇園舟漕ぎ手、参列者がアマモを海中より取り上げ

           本殿に運ぶ

 10:00〜11:00   本殿にて式典(アマモ神事)

 11:00〜      本殿より茅船のご出殿

 12:00〜      船溜より茅船を乗せた祇園舟の出発

 13:00頃      2艘の祇園舟が船溜内で競争

 

 富岡八幡宮の由緒、「祇園舟」等の祭事につきましては、富岡八幡宮ホームページをご覧ください。

 

富岡八幡宮へのアクセス:

京急線「京急富岡駅」より、東口を出てまっすぐ進み、国道16号線を左手に進みます。交番のあるY字路を右に、一つ目の角をさらに右手に進み、まっすぐ行くと本殿です。八幡宮の裏手 には船溜があり、ここでアマモ神事のアマモを取り上げ、祇園船が出発します。